不動産とは

 民法第八六条に「土地及びその定着物を不動産といい、その他の物はすべて動産とする」と定められています。不動産と動産の法律上の大きな相違は、不動産には登記制度があり、不動産に関する物権(所有権・地上権・地役権・永小作権・先取特権・質権・抵当権・占有権等)の得喪および変更は、不動産登記法の定めるところによって、登記をしなければ第三者に対抗することはできませんが、動産に関する物権の譲渡は、単に引渡しによって第三者に対抗できることです。

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 土地とは、土地の構成部分である土砂・岩石などを包含した観念であって、境界によって区画されたある範囲の地表および地殻をいうものであり、土地の所有権は、法令の制限内においてその土地の上下に及ぶものです。
 土地は、われわれ人間の生活と活動とに欠くことのできない一般的な基盤です。また、土地は増減せず、また不滅という特性をもつ不動産であって、土地それ自身が不動産であるとともに、不動産の構成要素として必要不可欠のものです。建物その他の不動産は、土地を離れては機能し得ない不可分の関係にあります。不動産登記上、土地はその主たる用途によって、田・畑・宅地・鉱泉地・塩田・池沼・山林・牧場・原野・墓地・境内地・運河用地・水道用地・用悪水路・ため池・堤・井溝・保安林・公衆用道路・公園及び雑種地など二一の地目に区分して示されています。
 土地の定着物とは、天然・人工または直接・間接を問わず継続的に土地に定着しており、容易に移動できないものです。建物・樹木・橋梁・門・堀・石垣・岸壁・土地に定着させた機械等は土地の定着物です。
 これらの土地の定着物のうち、法律上、独立の不動産として取り扱われるものは、建物と特定の立木です。その他の定着物は、独立しては不動産として取り扱われません。
 土地に定着する不動産のうち、代表的なものは建物です。建物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根・柱もしくは壁を有するもの、これに付属する門もしくは堀、観覧のための工作物、地下もしくは高架の工作物内に設ける事務所・店舗・興業場・倉庫その他これらに類する施設をいい、建築設備を含むものです。したがって、土地に定着しない一時的な工作物は、建物とはみなされません。
 立木とは、一筆の土地または一筆の土地の一部分に生立する樹木の集団であって、その所有者が「立木二関スル法律」により所有権保存の登記を受けたものをいいます。立木は本来土地の定着物でありますが、この法律第一条に該当する立木は不動産とみなされます。
 したがって、立木の所有者は、土地と分離して立木を譲渡しまたはこれに抵当権を設定することができるし、また土地の所有権や地上権を処分しても、その効力は立木には及びません。立木として登記のできる樹木の集団は、天然の樹木の集団であっても、また植栽による樹木の集団であってもよいのです。
 以上の土地・建物・立木のほかに、金融の円滑化をはかる目的で、特定の動産と不動産の集団を特別法によって、一個の不動産または一個の物とみなされる財団があります。一個の不動産とみなされる財団としては、工場財団・鉱業財団・漁業財団・港湾運送事業財団及び道路交通事業財団等があります。鉄道財団・軌道財団・運河財団などは、一個の物とみなされる財団です。

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