不動産を味方に豊かな老後を

 高校あるいは大学を卒業し、サラリーマンとなって定年退職するまで、いったいどれほどの賃金をわれわれは稼ぎ出すことができるのだろうか。いわゆる「生涯賃金」の問題である。
 ここに「生涯賃金」とは、サラリーマンが会社等から支給される月給および賞与・一時金と、退職時に賃う退職金、さらに退職後の企業年金の合計額をいう。週刊誌にその特集が産業業種別に掲載されているが、全産業平均の生涯賃金を紹介しておこう。
 高卒で二億二七一五万円、大卒で二億七五〇五万円である。
 「自分もそんなに稼ぐのか」なんておめでたい戯れ言をいっている場合ではない。
 これはグロスの数値である。この生涯賃金から所得税・個人住民税を洙求され、さらに社会保険料等も差し引かれ、残ったネットの手取り金額で可愛い妻や子供たちを養い、マイホームを手に入れ、さらに老後の貯蓄をも溜めようというのだから、並の方法では余剰金は出てこないのである。
 無事勤め終えて企業をリタイアしても、さらに二〇年間、社会・国家の疵護を受けつつ、永い老後生活を送らなければならないのである。
 社会・国家の疵護のうち、大きな要素は年金の収受であろう。その年金で豊かな老後を過ごせるのなら別段文句はない。しかし、来る年も来る年も自分だちと同じシルバーエイジの仲間たちが次から次へと増え続け、新たな老齢者からなる「団塊の世代」が造出されてくるのだ。
 五〇の大台を越えて、過ぎ来し稼得期を振りかえり、「人生は朝露のごとし」と風流に慨嘆していてはもう手遅れなのである。だからこそわれわれは他力本願をきっぱりと捨てて一念発起する。生涯収支のバランス・シートから判断しても、自助努力による不動産財テクは、三〇代の半ばからスタートするのが理想的である。この年代の収支は黒字になっているのだから。

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 稼得年代の四〇年間の時間のボリュームを常に頭に浮かべておこう。四〇年は日数に換算すると一万四六〇〇日である。希望溢れて入社したその日から一〇年から一五年程度は、やがて来るべき日のための「タネ銭」づくりに勤しむがよかろう。ただし前向きにいこう。
 「恥欠く、義理欠く、礼欠く」の「三欠くの法」は駄目なのである。大切な人脈の拡がりが保てない。
 孔子はいった。「吾十有五而志学、三十而立、四十河不惑、五十而知天命、六十而耳順、七十面従心所欲不諭矩」と。
 三五歳を目処に不動産財テクの一石を投じよう。それよりもっと早ければ、なおのことよい。三〇代は孔子のいう「而立」の年代である。「而立」は経済的な「自立」に相通ずる。この年代に投じた不動産投資の一石がおこした一波は、やがて次なる不動産再投資で第二波を呼び、加速がついて万波を呼んでいくのである。
 そして不惑の年、強仕の年の四〇代へと突入していく。礼記に「四十を強と日い、而して仕う」とある。身体強健で、この年齢になって初めて企業内で枢要な職制に抜擢され、実力を発揮していくようになっていくのだ。
 そして「知命」の年の五〇代へと進み、時々刻々に変化する混迷した世にあって、社会と家庭と企業を救う天命を知るのである。三五歳から六〇歳まで二五年間もあるのだ。しかし日数で表わすと九一二五日しかないのだ。時間でいうと二一万九〇〇〇時間しかない。一刻一秒をおろそかにしてはいけない。
 一刻一秒、額に汗して働けといっているのではない。頭を使い、借入金を導入し、他人の力を利用して生涯収支のバランス・シートの体たらくを自らの努力で埋めていくのだ。二五年間この資産形成論に精通し、実践した投資家は、大変な資産家へと変身できること請合いである。
 しかるに地価高騰と株高で、すっかり資産格差が拡がったとぼやいて、自助努力もせず、資産家の娘を射止めて結婚したほうが得策だと暴言する「逆玉の輿」志願の若者が増えているという。情ないことだ。生涯女房に頭が上がらないこと必定である。

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