不動産の情報収集

 不動産の多面化工作にとってまず必要なのは情報収集である。おもな情報収集の方法を列挙すると
 1.ヒヤリング
 得意先との会話の中でニーズを聞き出していく。「遊休不動産の活用を考えているのではないか。聞きだそう」と狙いをもったヒヤリングの場合もあれば、直接関係ない雑談から情報が得られる場合もある。ちょっとした話題も聞き捨てにせず、自分ならどうすると考えてみる姿勢が必要である。
 ヒヤリングのよい点は、個人にせよ、法人にせよ、当事者からそのニーズが聞けることである。
 得意先が中堅規模以上の会社の場合、不動産に関連する情報の入手先は、組織が大きくなりそれぞれ所管事項が異なっているため、普段、渉外係や融資係が訪問している財務部、経理部などのセクションより総務部、総合企画室、社長室といったセクションの方が情報をもっているケースが多い。
 また社内の一部しか知らない極秘情報は先方の社長等幹部と支店長とのトップセールスによって入手出来る場合が多い。

スポンサーリンク

 2.得意先の不動産調査とその実査
 日頃から得意先の不動産を調査し、所在・面積・現在の利用状況などをリスト・アップしておく。
 自店のテリトリー内のものは極力実地に見ておく必要があり、遊休地の場合には特にマークして先方のニーズをつかむことが必要である。
 また得意先がメーカーなどの場合、遠隔地であっても主要工場は一度見学しておくべきである。
 3.財務諸表
 毎期の決算に基づく、財務諸表はその期の営業活動状況とその結果である財産状態を表わしている。
 良好な売上、利益を上げている会社であっても、自社の本社ビルを有しておらず全体として過少固定資産となっている場合がよくある。毎期の賃料支払いの負担の大きさによっては自社ビル取得の提案に同意を示すかもしれない。
 「不動産は担保として将来の資金需要発生の場合の有効な調達手段となりますよ。」これは不動産の購入をすすめる一つのセールストークとなる。
 4.遊休地そのものが情報源
 支店のテリトリー内については渉外係は十分熟知していると思われる。当然、有効利用がなされるべき土地が遊休となっているものがあれば、これに着目し、多面化工作を行うことが可能である。
 登記所にて所有者、面積等を調べ、検討を開始する。この場合、所有者が自行と取引があるとは限らないし、依頼されたわけでもないのに検討作業をすることになるので慎重な取扱が必要である。この場合は何らかのコネを探しだし、顧客の役に立ちたいというこちらの誠意が分かってもらえるような、アプローチが必要である。
 5.不動産相談会等の催し
 支店で時おり実施される催し物、キャンペーン等の時に不動産相談公等を併設すれば、貴重な情報が得られる機会が出てくる。
 6.関連業者、専門家等からの情報
 ゼネコン、設計事務所は自らの仕事の受注のため情報網をめぐらしており、銀行がオルガナイザー機能を果たし、自分達に仕事を受注させてくれることを期待して銀行に情報を持ち込んでくる。
 税理士、弁護士はそれぞれ顧問先から相談を受けるケースが多く情報を待っている。顧問先に対する守秘義務はあるが、その顧問先も銀行がニーズに合った対策を提案、実現化が可能ということであれば銀行が参加してくることを喜ぶであろう。
 そうした実績を重ねていくと税理士、弁護士からの情報も自ずと増えていくことになる。

不動産

不動産の情報収集/ 不動産の企画案の作成、提示/ 外部戦力の活用とプロジェクトの推進/ 不動産の見方/ 行政法規による制限/ 借地権の場合の留意点/ 土地有効活用のニーズ/ 貸ビルの事業計画/ 賃貸マンション・アパートの計画/ 貸店舗の計画/ 駐車場の計画/ スポーツ施設の計画/ 等価交換方式とは/ 等価交換方式のメリット/ 等価交換案件における銀行の役割と留意点/ 相続対策のコンサルティング/