瑕疵担保責任と契約責任

暇疵担保責任をもって、法定無過失責任であるとする法定責任説に対し、暇疵担保責任を当事者の意思表示にもとづく債務不履行責任としてとらえようとする契約責任説が有力に主張されています。この説は前述した、原始的一部不能、ー部無効の理論構成を原始的不能論を採用することは契約が無効であるから給付義務なしとすることを意味し、給付義務の在否という要件の間題に、効果を規制する不能読を論理的に結合させる結果となっているとしています。また特定物の給付義務として、あるがままの状態で義務を負うだけでなく、あるべき快態で義務を負うとの構成も可能であり、契約の合目的、法政策的見地からその選択がなされると主張します。また目的物の種類を間わず、完全履行請求権を有すると解することが妥当とする立場をとれば、その限りでこれに対応する完全履行義務を構成してよいのではないかとしています。契約説によると、特定物においても完全な物を給付する義務を負うとする理論構成は可能であり、一般の法感情に合致します。原始的不能と後発的不能は契約時でなく履行時で区別するほうが実際的となる。債務不履行は故意、過失を要件とするが、無過失責任割度とも両立でき、たとえそうでない場合でも欠陥ある給付には必ず過失が伴います。暇疵担保制度は債務不履行の特則であるとし、以上述べた理由から、不完全履行のあった場合、瑕疵ある物の給付をなした売主は無過失責任を負い、買主は代物請求、完全履行請求ができ、契約の目的を達することができないときは契約を解除し、また損害培償を請求しうることになります。現在の種類売買が支配的な商品交換社会では、暇疵担保を不完全履行の特用とみなす債務不履行説が、売買の実情に照らし、妥当であると思われます。
法定責任説をとった場合に特定物売買における売主の責任は無過失責任です。売買の目的物に原始的瑕疵があり、その部分が無効のときの責任であるために、目的物で焼失していたときの履行不能の場合と同様、買まが暇疵のない有効な契約が成立を信頼したことによって被った信頼利益の賠償になります。買主が暇疵の存在を知っていれば、その部分に対応する代金を支払わなかったであろうことを根拠とし、減額請求や、契約解除を求め、原状回復を求めることになるために、それに関連する範囲内にとどまることになります。信頼利益とは契約書作成費用、登記費用、受領に要した費用、他からの有利な申し込みを断った損害など、無効な契約を有効と信頼したことによって被る損害になります。それに対して履行利益は、契約が完全に履行された場合に取得されるのであろう利益であり目的物が値上がりにより買主が得たであろう利益などがその例になります。法定責任説をとりながら、売買に際して明示された品質保証がある場合や、売主に過失のある場合に限って、履行利益を認めるべきであるとする見解があります。暇疵担保責任は無過失責任であるために、損害賠償額は、対価を越えて買主を保護する必要がありません。契約代金額と物の価額との差額を基準とすべぎであるとする説があるところで契約責任説をとれば、暇疵担保責任を債務不履行とみるから履行利益になります。判例の立場は、信頼利益説と履行利益説、対価制限説とがあり、まだ確定していないといえます。

スポンサーリンク

不動産

不動産売買による所有権移転/ 所有権移転登記の手続/ 所有権移転に必要な書類/ 買主自ら保存登記/ 売主に対して私有権移転登記/ 競合する保存登記/ 中間省略登記の意義/ 登記の効力/ 第三者に対抗/ 代金の支払い/ 一時払い/ 不動産の割賦販売/ 代金支払場所/ 代金支払時期/ 同時履行/ 同時履行の抗弁権/ 契約履行の費用/ 債務不履行/ 債務不履行の相手方の救済/ 業務不履行/ 引渡請求/ 債務不履行/ 履行遅滞の効果/ 登記の意味/ 対抗要件としての登記/ 登記と売主の重要性/ 第三者に対抗/ 未完成物件/ 履行遅滞による損害賠償/ 責めに帰すべき事由/ 売主の代金受領拒絶/ 受領遅滞の効果/ 売主の履行遅滞効果/ 不動産売買の先取特権/ 買主の代金未払い/ 買主の登記拒否/ 不完全履行責任と担保責任/ 瑕疵担保責任と契約責任/ 契約面積と実測面積の相違/ 土地の一部が他人の場合/ 土地所有者が他人の関係/ 購入不動産に他人の抵当権/ 業者の説明広告との相違/ 行政法規の利用制限/ 第三者が占有している土地購入/ 契約の解消/ 契約の無効/ 契約の解除/ 契約解除の方法/ 契約解除と相手方との関係/ 契約解除による第三者との関係/ 付随条項違反による契約解除/ 合意解除と第三者/ 手付金放棄と契約解除/ 事情変更による契約解除/