土地所有者が他人の関係

他人の土地にまたがって建物を建築しようとしたとき、あるいは建築してしまったときは所有者から所有権に基づく妨害の予防、妨害排除請求、土地の返還請求が認められています。民法には直接に規定を持ちませんが判例、学説はこれを認めています。占有権に占有訴権が認められる以上、それより強い所有権に認められるべきことは当然だからです。この妨害排除請求権は侵害者、土地の買主に故意、過失の存することを要件としないために、売主の言を信じ、自己のものと信じたから故意、過失がないと抗弁することも許されません。目的物を買主が買い受け賃貸人となった場合の借地人が家などを建てた場合に、借地人のみならず買主も侵害者になります。場合によっては地上建物を撤去しなげればなりません。この妨害排除に必要な費用は妨害者の負担になります。請求の認否の基準は妨害者の悪性と所有者の利益、請求を認めることによって社会が被る経済的、社会的損害等が勘案されます。発電装置について、その撤去は社会的法律的に不能であるとして所有者に受忍を認める判例もあります。建物の存続が認められても、買主は不法行為あるいは不当利得による責任を負うことになります。
契約の時、土地の一部が他人の物であったとき、その部分を売主が取得して移転できない場合でも、一部の履行不能として契約を無効とすべきではありません。契約全体は有効に成立させたうえで一部解除を認めるほうが、善意の買主には信頼利益の損害賠償が認められ保護されるからです。無効の場合は売主に契約締結上の過失による損害賠償を求めることにとどまり、買主に不利益があるからです。売主の所有権移転不能が契約後生じた場合に、それが売主の有責に係るならば償務不履行による損害賠償請求権、契約解除権などは担保責任と併存するとされます。判例でも、他人の権利を売買の目的としたときには、その履行不能が売主の責に帰すべき事由によるものであれば買主は、売主の担保責任に関する民法五六一条の規定にかかわらずなお債務不履行一般の規定に従って契約を解除し損害賠償の請求をすることができるとしています。

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