契約の解除

解除とは契約締結後に当事者の一方的意思表示により、有効に成立していた契約関係を清算し、もとに戻すことをいいます。この点で取消、撤回、解約告知等とは異なります。解徐は相手方の承諾なしに契約を解消せしめるものです。解除する者はそれだけの権利、解除権を有しなければなりません。
一旦契約が結ばれても、いつまでも履行されない以上、契約を白紙にもどさざるをえません。民法では契約一般に共通する解除原因として、債務不履行によるものを認めています。債務不履行には、三つの態様があります。履行遅滞は履行期がすでに到来し、履行が可能であるのに、債務者が適法な理由なく、債務者の責めに帰すぺき事由により、履行がなされていない場合をいいます。同時履行の抗弁権を有するときには、不履行が正当化されるために、自己の債務を提供して、同時履行の抗弁権を、失わせなげればなりません。通常の履行遅滞の場合には、さらに相当期間を定めて催告し、催告の期間内に履行がなされなかった場合に、はじめて解除権を行使できます。定期行為の履行遅滞の解除権は、催告しないで発生します。履行不能は契約締結後、債務者の責めに帰すべき事由により、履行が不可能になった場合です。ここでの不能は、客観的不能を意味します。例えば契約締結後、売主の過失で、建物を焼失した等の物理的不能はもちろん、売主が二重譲渡し、移転登記を済ませたような社会観念上の不能も含まれます。この時は、催告しないで解除できます。不完全履行は履行がなされたが、不完全であった場合をいいます。追完可能な場合は履行遅滞に準じ催告を要し、追完不能の場合は、履行不能に準じ催告しないで解除権が発生するとされます。しかし不動産取引のような特定物の場合には、給付が債務の目的であり、給付されれば、後は暇症担保や一部遅滞の間題が起こるのは格別、不完全履行の間題ではないとの見方もあります。
契約締結後、契約当時には当事者が予想もしえなかった著しい事情の変化が生じ、それが当事者の貴めにもとづく理由によらない場合に、契約どおりの履行を強制することが、取引関係における信義に著しく反するとき、契約の解除が認められます。不動産取引においても、契約時と履行期の間に時間的問隔があれば、適用の可能性が生じます。事実、判例にもこれを認めたものがあります。最高裁も原則的には、これを認める立場です。しかしその要件は厳格に解され、結果的には、解除権の行使を許さない判例が多くあります。この契約の解除は、その契約内容の修正請求を拒絶されて、はじめて認められるものです。

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売主は買主に売買契約に定めたとおりの目的物を引き渡す義務を負います。しかし様々な事情でこの義務が完全に果たされない場合には、買主に一定の要件のもとに解除権が与えられます。この場合は債務不履行による解除と異なり、売主の過失は問われません。この売主の担保責任には、権利の暇疵によるものと、物の暇疵によるものがあります。権利の瑕疵による場合は、さらに以下の類型がある。他人の権利の売買、全部が他人に属する場合に、売主がその売却した権利を取得して、買主に移転しえない時は、買主は契約を解除できます。一部が他人に属する場合、残存する部分だけでは買い受けなかったであろうという場合は、契約を解除できます。これには一年という権利行使期間の制限があります。
数量不足、物の一部滅失の場合、これは権利の一部が他人に属していた場合と同様の扱いをします。
制限物権がある場合、このために契約をした目的を達しえない場合に限り、契約を解除できます。これは買主が事実を知った時より一年以内に解徐しなげればなりません。
担保物権がある場合、不動産の上に存した先取特権または低当権の行使によりその所有権を失ったときは、契約を解除できます。
強制競売の場合、強制競売の場合にも、競落人は契約を解除できます。以上の権利の瑕疵に対して、物の瑕疵とは、売買の目的物に、当事者の気がつかない傷があった場合です。このときは、瑕疵があることによって契約の目的を達しえない場合にかぎり解除ができ、それは買主が事実を知った時から一年以内になすことを質す判例、通説はこの瑕疵のなかに法律上の制限違反等による法律的瑕疵も含まれるとします。ただし、この瑕疵担保貴任は、強制競売の場合には認められません。
約定解除は契約により、留保していた解除権にもとづく契約の解除です。この解除権の保留は必ずしも契約当初になされることを要しません。また手付のように、契約上の義務が履行される以前においてのみ解除権行使を認めるものもあれば、買戻しのように契約が履行された後に解除権を行使できるものもあります。この他当事者は、契約を解除できる場合を、原則として自由に定めることができます。さらに効果についても別段の特約をした場合は、その内容に従わざるをえません。以上のような解除事由があっても、これを行使しない間に、催告による解除権の消滅毀損等による解除権の消滅解除権の時効消滅、除斥期間の経過等の解除権行使が制限されるような事情が生じれば、契約の解除はできなくなります。
契約が一旦結ばれても、どちらからも、請求も履行もないままに放置された場合には、契約は自然に解消します。ここで問題になるのは、消滅時効である。債権の消滅時効は、原則として10年です。その間、中断事由がなく時効が完成すれば、権利は消滅します。その後は時効の援用をすればよく、、時効が完成しない問でも、もはや請求することが信義に反すると思われるときには、失効の原則により、契約は解消します。

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