契約解除の方法

契約解除の方法は、その解除原因によって異なります。解除権を行使する際に、最後通告ともいうべき請求、催告という一定の前提手続を行なう場合と、行なわない場合とがあります。債務不履行のうち履行が可能なのに、まだなされていないという履行遅滞の場合。履行はなされたが、不完全であったという不完全履行のうち、追完可能な場合です。これらの場合には、相手方が遅ればせながら履行に努力していたり、ついうっかりしていた等の可能性もあります。したがって相当の期間を定めて催告し、債務者がその期間を経過して、履行しないときに、はじめて契約を解除できる催告は、債権者が債務者に対して、債務の履行を促す意思通知です。どの債務について、いかなる義務の内容の請求かを、明確に示すべきです。債務の同一性について、後日、過大催告、週小催告の争いを生じさせないためです。過大催告を例にとれば、5万円の債務に対し、50万円との催告をして、5万円では受領しないことが明らかな場合に催告が信義則に反し無効です。しかし10万円程度で同一性が認められるかぎり、過大催告、過小催告も有効になります。さらに履行に必要な相当の猶予期間を与えなければならず、この期間は、それぞれ債務の内容によって異なりますが、通告が相手方に到達した日の翌日から一週間程度でよく、ただし債権者に余裕があれば、もう少し長くしておいたほうがよい。債権考の示した相当の期間が不適切でも、催告後、相当の期間が経過した場合には、解除権が発生します。ただし催告期間内でも、債務者が不履行の意思を明確にした場合は、その時から解除権が発生します。解除の段階にも債権法一般を支配する信義則が働き、催告の前提として、売主は権利証や印鑑証明の準備をし、買主は現金までは必要ありませんが、預金等をすぐ引き出せるように準備しておくべきです。催告の方法には、制限はありませんが、証拠を残すために、内容証明郵便による方法が望ましく、その際に履行が期待でき、あくまで履行させたい場合には、催告期間内に履行なき場合には、契約を解除する場合があります。として、解除権の行使を留保しておけばよく、履行が期待できない場合には、催告期間内に履行なき場合には、契約は当然解除となります。として、条件付解除の意思表示をしておけば、あらためての解除の通知は不要となります。比較的接近した時期に、催告と解除という二つの意思表示をするわずわらしさのため、判例は、これらを一度ですませることを有効と認めます。また実務上も、そのようにするのが普通です。
債務不履行のうち、契約の性質または当事者の意思表示により、履行期に遅れた履行では、契約の目的を達しえない定期行為の履行遅滞の場合達れての履行は無意味だからです。次に債務不履行のうち、履行不能の場合すでに履行自体が不可能だからです。そして履行はなされたが不完全である不完全履行のうち、追完不能の場合。履行不能と同様の理由からです。事情変更による解除の場合。客観的、経済的事情によるものだからです。売主の担保責任にもとづく買主の解除の場合。買主に目的物を移転しえないことが明らかになった時に許される解除だからです。催告不要の特約のある場合。このような特約は原則として有効だからです。以上のような場合の解除については、それぞれの理由から催告は無意味であり、催告しないで契約を解除できます。
解除権の行使は、相手方に対する意思表示によって行ないます。これも特別の方法を必要としませんが、後日の証拠のため、内容証明郵便によるほうがよく、その際に催告をした場合に解除権を審保していた時は、あらためて、契約を解除します。との意思表示を要します。しかし条件付解除の意思表示をしていた時は、あらためての解除の意思表示は不要です。催告を要しない場合には、直ちに解除の意思表示をすればよく、意思表示が到達し、効力が生じた以上、任意に取消はできません。つまり法律関係が不確実になり、相手方を不当に害する恐れがあるからです。解除の意思表示に条件を付すことを許さないのも、同様の趣旨からです。しかし、その反面、相手方の同意を得た取消や、手続を避けるための条件付解除の意思表示は、これらの恐れもなく、それぞれ有効です。解除は、当事者が数人ある場合には、その全員から、その全員に対してなされなければなりません。法律関係の複雑化を防ぐためです。さらに、この趣旨から、解除権が一人について消滅したときは、他の者についても解除権が消滅します。

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