借地権借家権の土地建物の評価

借地権付土地の売買価格は原則として両当事者の合意により定まることはいうまでもありませんが、その場合に借地権価格と所有権価格の割合が基準となることが多く、これについては、かなりの程度に地域の慣行が成立していますが、不動産鑑定理論の対象ともなるので、正確には不動産鑑定士に依頼し、鑑定してもらったほうがよく、それは同一地域でも、それぞれの土地には個性があり、さらに借地権の法律的内容、残存期間、更新拒絶の正当事由の度合、建物の寿命、設定権利金の授受の有無および金額の多寡などを考慮して、借地権価格を算定することになるからです。一般に、更地の鑑定や建付地であっても借地人、借家人のいない土地の鑑定は容易であるとされていますが、借地権価格の鑑定は難しいとされています。それは借地権の法律的内容を判断し、その結果を鑑定評価の資料に加えねばならないからです。その意味で借地権価格の鑑定評価は法律的判断を前提とするために、正確には不動産鑑定士のみのなしえる作業ではなく、弁護士の法律的判断を資料としたうえで不動産鑑定士が評価する作業でなければなりません。
借地権の評価以上に難しいのは借家権の評価で、借地権の評価は不動産鑑定理論上もある程度研究されてきていますが、借家権の評価の究明はほとんどなされていないのが現状です。しかし借家人が存在する場合、建物の評価も低くならざるを得ず、その敷地の評価も低くならざるを得ないのは事実です。つまり借家人がいれば、その建物の買主またはその建物および敷地の買主は、その建物またはその敷地を直ちに利用できないために、その不利益分だけ建物および敷地の面格が安くなるのは当然です。しかも、借家権は借家法により強い保護が与えられているために、借家権は簡単に消滅させることはできないので、買主の不利益は大きいものがあります。借家権価格の評価とはつきつめればかような不利益分の評価ということになりますが、さらにこれをつきつめると借家人を立ち退かせるには客観的にどれだけの金額が必要かということに帰着するように思われます。したがって建物の物理的条件のみならず、通勤、通学等の生活案件、環境条件等よりみて、同一条件の建物を賃借するとすればどれだけの費用が必要かが要点となりますが、この他に借家人及びその家族の精神的要素も酌量しなければならないために、借家権価格の鑑定評価は極めて困難な作業といえます。

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