道路予定地の売買

道路は、道路法上、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道に分頬されますが、そのいずれも、路線の指定または認定、道路の区域の決定、土地等に関する権原の取得、工事の施行、供用の開始の各手続を経て開設されます。道路は供用の開始によって一般交通の用に供される道路として成立するのであって、道路の区域の決定がなされた後供用の開始がなされるまでの間の当該区域内の土地は、いまだ道路ではなく、これを道路予定地といいます。
道路予定地については、何人も、道路管理者が予定地について権原を取得する前においても、道路管理者の許可をうけなければ、予定地の形質を変更し、工作物を新築し、改築し、増築し、もしくは大修繕し、または物件を付加増置してはならず道路管理者が権原を取得した後においては、供用の開始がなされた道路の場合と同様に、道路予定地について私権の行使つまり使用収益をすることができません。
前記のとおり、道路予定地に対しては私権の行使が制限されていますが、これは道路予定地を使用収益するうえでの制限にすぎず、所有者が道路予定地を他に売却し、所有権移転登記をすることは自由にできます。
所有者は道路予定地を他に売却できるにしても、道路予定地であることを知らずに土地に建物を建築するなどの目的でこれを買い受けた者は、前記のとおり使用取益が制限される結果、不測の損害を被ることになります。このような場合、裁判例は、民法五七〇条にいう、売買の目的物に隠れたる瑕疵ありたるときに該当するとして、売主に瑕疵担保責任を認めます。つまり買主は、民法五七〇条にもとづき、売主に対して損害賠償の請求をすることができ、さらに、買い受けた土地の使用収益が制限される結果、契約をした目的を達することができない場合は、契約を解除することができます。この契約解除または損書賠償の請求は、買主が瑕疵を発見した時から一年以内にしなければなりません。もっとも、穏れた瑕疵について、買主が契約締結当時これを知っていた場合もしくはある程度の注意をすればこれを知りえた場合は、売主は担保責任を免れることができますが、その主張立証責任は売主にあります。
したがって、道路予定地の売買に際しては、売主は、代金額が通常の土地よりは当然低額になりますが、道路予定地であることを契約上明らかにしてこれを売却することが必要です。

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